精密電子機器(IC・半導体デバイス)を扱う上での基本的な静電気対策の考え方は?
静電気対策はその現場の状況、製品の詳細によって、より良い対策がそれぞれ異なってきますが、
基本的な考え方を下記に挙げます。
1. 静電気を発生させない。
発生しても発生する静電気の絶対量を極力低く抑える。
2. 静電気を帯電させない。
発生してしまった静電気をできるだけ速やかに漏洩させ、滞留させない。
3. 静電気を放電させない。
特定の場所で火花放電をさせない。
4. シールドする。
帯電体が接近したり、ESD(静電気放電)が発生してもデバイスが影響を受けないようにシールドする。
1から3 は静電気障害の原因を取り除く方法で 4 は静電気障害からデバイスをガードする方法です。
静電気を帯電させないためには、どのような対策をとれば良いでしょうか?
静電気対策はその現場の状況、製品の詳細によって、より良い対策がそれぞれ異なってきますが、
基本的な対策を下記に挙げます。
1. 製造現場・保管場所では導電性の資材を使用し、アースを必ず取る。
2. 静電気発生の予測が可能な所では除電機等を活用し、常時除電を行なう。
発生してしまった静電気をできるだけ速やかに漏洩させ、帯電させないようにしましょう。
静電気を放電させないためには、どのような対策をとれば良いでしょうか?
静電気対策はその現場の状況、製品の詳細によって、より良い対策がそれぞれ異なってきますが、
基本的な対策を下記に挙げます。
1. ピンセットやドライバー等は抵抗値の低い金属素材のものを使用しない。理想抵抗値106Ω~109Ω程度
2. 絶縁物を製造現場・保管場所に持ち込まない。
3. 静電気発生の予測が可能な所では除電機等を活用し、常時除電を行なう。
特定の場所で放電させないようにしましょう。
受け入れ・検査・アッセンブル工程での具体的な静電気対策を教えてください。
受け入れ・検査・アッセンブル工程での静電気対策のポイントは、
【人体を含め作業場全体を同電位にする】という事です。
例) 導電性床材の使用 ・ リストストラップの着用 ・ 導電靴の着用
それぞれ単独での使用では完全とは言えず、
導電性床材、導電靴、リストストラップ装着のように3方法の併用での対策が望ましいです。
保管・輸送などの梱包資材について具体的な静電気対策を教えてください。
1. 摩擦帯電が起きないように導電性、帯電防止性の容器、梱包材に入れる。
2. 外部の電界の影響を受けないように、静電シールド性の容器、梱包材に入れる。
入れる製品に応じて導電性能、クッション性の有無、透明性、耐熱性など各種性能を選択してください。
湿度を高くすれば静電気対策になりますか?
結論から申し上げますと、静電気対策になります。
皆さんご存知のように、冬に静電気発生が多いのは、湿度に関係があります。
湿度が高ければ静電気発生は少なく、逆に湿度が低ければ静電気発生も多くなります。
しかし、湿度を上げるということに付随して、リーク障害、腐食障害、そして作業者の不快感が増します。
湿度を上げるという事は有効な手段なのですが、相対湿度50%以上では湿度障害率が増加してしまいます。
静電気対策に湿度管理は重要なのですが、やはり単独で万能というわけではなく、
T.P.Oに応じて他の静電気対策と併用するのが望ましいです。